ドライバーショットの打ち方の基本ポイントと動画解説

豪快なドライバーショットはゴルフの醍醐味の一つであり、もっとも難しいクラブでもあります。初心者であってもドライバーショットを楽しめるように、まずは打ち方の基本となる重要ポイントをしっかり抑えて練習するようにしましょう。
正しいセットアップ手順
あなたは自信を持って狙った方向にフェースをセットできていると言えるでしょうか?100を切れていないゴルファーや、どうもドライバーが苦手だという方は、自分のセットの手順が正しいかぜひチェックしてみて下さい。せっかくのナイスショットのはずが、思わぬ方向にボールが飛んでいくことのないようにしましょう。
ドライバーの打ち方の基本
これからスイング段階におけるポイントを解説していきますが、ドライバーの打ち方の基本を理解するのに非常に役立つ動画がありますので、まずはこちらをご覧下さい。
【動画】ドライバーの打ち方
フェースを直角にセットアップする方法
どれだけフェースをスクエアにしたままインパクトできたとしても、そもそも狙っている方向が間違っていれば思ったところにボールは飛んでくれません。ここでは、正しいフェースのセットアップ方法を説明します。
まず、ティグラウンドに立ったら、コース全体を見渡して狙っていく方向を決めます。打つ方向が決まったら、ボールとその方向のライン上に目印を探します。(ボールのすぐ近くにある芝が剥げた部分や枯れ木等、目印になれば何でもOK。)
そして、その目印に対してフェースが直角になるようにセットアップするのです。
フェースを目印に合わせる際は必ず両足を閉じて行います。体の真ん中にフェースを置いて正面からチェックして下さい。フェースが目印に対して直角になっていることが確認できたら、左足→右足の順に足を開いて構えると正確にセットアップすることができます。ぜひ試してみて下さい。
セットアップは一連の流れが重要です。ここで紹介したやり方に100%こだわる必要はないのですが、毎回やり方を変えるのではなく、毎回同じやり方を繰り返して体に覚えさせてしまうことをおすすめします。毎回同じ動作を繰り返すことで、自然とリズムもよくなりますよ。
利き目を有効に活かす
ドライバーはシャフトが長い分ボールをスクエアに捕らえることが難しいクラブです。そのため苦手にしている人も多いのではないでしょうか。そんなドライバーの苦手意識を克服するために役立つポイントとして”利き目”が有効なのをご存知でしょうか。自分の利き目をチェックして、ドライバーショット時の意識改革をしましょう。
まずは自分の利き目をチェックしよう
スコアメイクをする上でドライバーショットが安定することは大きなポイントになります。第一打が失敗すると、リカバリーしようとそのまま無理なショットにトライし、結局ミスを重ねてスコアを大きく崩しかねないからです。ドライバーショットで大きく失敗しないためにもミート率を上げる必要がありますが、そのポイントとして”利き目”が有効なことをご存知でしょうか。意外と知られていませんが、自分の利き目を知ることはゴルフ上達のために非常に役立つのです。
利き目のチェックの仕方ですが、(どちらの手でも構わないので)親指と人差し指で丸い円をつくり、その円を目から30センチくらい離したところに置きます。(軽く手を伸ばしたくらいでOKです。)円から目標物が見えたら、片目ずつ目をつぶってみます。片目の状態で目標物が円の中み見えた方が利き目になります。
利き目によって意識するポイントが違う
では、自分の利き目が分かったところで次のステップです。
まず利き目が”右“の人ですが、「右手のヒラ」を意識します。右手のヒラをドライバーのフェースと見立ててグリップし、そこを意識しながらスイングしてみましょう。そうするとインパクトをスクエアに保つのが簡単になります。「右手のヒラでボールを打つイメージ」が大切です。
利き目が”左“の人は「左手の甲」を意識してみて下さい。インパクトした時に左手の甲がボールに対してスクエアになるようにスイングすると、やはりミート率を上げることができます。
利き目によって意識する場所を変えるのは、目と手の間隔がより近くなるようにするためです。体に近い部分を意識する方がフェースの向きをコントロールしやすくなるため、よりミート率をあげることに役立つのです。
ドライバーショットが難しいのは、自分で動かす手とボールの間にクラブの長いシャフトが付いていることが大きな理由ですから、より自分の体に近い所(=手)を意識することでスイングがかなりしやすくなるはずです。
スイング中に意識すべきところはクラブヘッドではない
もうみなさんお分かりだと思いますが、インパクトでフェースをスクエアにしようという意識が強すぎて、スイング中にクラブヘッドを意識してはいけません。クラブヘッドは自分の体から一番遠いところにある分けですから、その分コントロールが難しくなってしまいます。
クラブヘッドよりも自分の手で打つイメージを持ちましょう。インパクトでアドレスポジションに戻す意識を持つことでワキが自然と締まり、スクエアなインパクトをすることができるようになります。
ただ、スイング中にクラブヘッドを意識しないようにして欲しいのですが、確認すべきポイントはあります。それが「フェースの向き」です。これはスイング中に意識しながら打つというよりも自然にできることが理想ですので、こちらの動画でチェックポイントを理解しておき、練習段階でフェースがどこを向いているのかチェックしておきましょう。
【動画】ドライバーの打ち方 その② 「スイング中のフェースの向き」
アドレスとテークバック
左肩をしっかり回すためにはアドレスやテークバックでのポイントをしっかり抑えておく必要があります。アドレスひとつでスムーズに左肩を回すことができるかどうかが変わってきますので要チェックポイントです。
アドレスで重要な手の位置とは?
アドレスで注意して欲しいのは手の位置です。
まず最初にグリップの位置ですが、目安として体からグリップエンドまで握りコブシ2個半分離れているかをチェックしてみて下さい。それよりも近ければクラブを引くスペースがないため上体が起き上がってしまいますし、それよりも遠ければ体が突っ込んでしまい肩がしっかり回りません。
次にボールに対してハンドファーストで構えられているかをチェックします。これはテークバックをスムーズにしやすくするために必要なことです。ハンドファーストに構えることで肩とクラブヘッドが一体に上がってくれるため、肩を違和感なく回転させることが出来ます。
左肩をスムーズに回転させるためのテークバックでのポイントとは?
左肩をしっかり回すためには、上半身だけの力でアドレスで肩を回しやすいポイントを理解できたら、次はテークバックです。はうまく行きません。左肩を右に移動させていくには下半身の力が必要不可欠になってきます。
意識しておきたいポイントとして、テークバックを始めたらすぐ右足に体重移動をしていくということです。しかしこのように書くと体重移動のことを気にしすぎて他の重要なポイントを忘れてしまいがちです。体重移動は慣れないと上手くできている感覚になりにくいですがかどうしてもそちらに気を取られてしまうと思います。
この問題を回避するために、体重移動を意識するのではなく、テークバックを始めたら右ヒザを右足の上に動かすことだけを意識してみて下さい。これだけでスムーズに右足に体重移動ができるようになります。
(右ヒザが右足より外側に行かないように注意しましょう。)
また、たまにこの時に左足のカカトが浮いている人がいますが、そうならないように注意して下さい。左足の踏ん張りが利かなくなると必要以上に体が右側に動いてしまう可能性があります。左足はベタ足をキープするようにしましょう。
曲げない打ち方
ドライバーショットが苦手な(嫌いな)理由のひとつとして、やはり曲がりやすいことが挙げられるでしょう。「ドライバー=遠くに飛ばす」という意識で自分のスイングが乱れていなかしっかりチェックして、曲げない打ち方のポイントをぜひ実践してみて下さい。
トップスイングでの手の位置を再確認しよう
手とクラブとの一体感を強めてミート率を上げるためには、トップスイングの手の位置を必要最小限の高さに抑えることが重要なポイントです。ドライバーショットではどうしても遠くに飛ばそうという意識が出るためスイングも必要以上に大きくなりがちです。トップスイングでの手の位置が高くなればなるほどスクエアなインパクトが難しくなりますから、ミート率を上げるために必要なトップスイングでの手の位置を覚えておきましょう。
バックスイングに入り、アドレス時から肩が90度くらい回ったら、右耳の横あたりにグリップした手が来ているはずです。実はバックスイングはこの程度手を振り上げれば十分なのです。それ以上無理にトップを持っていく必要はありません。
よく「左肩を右ひざの下まで回転させよ」というアドバイスを聞くと思いますが、もちろんそれは理想なのですが、体が硬くて窮屈に感じる人は左肩はアゴの下に入っていれば十分です。実際に意識してやってもらえれば分かると思うのですが、左肩がアゴの下に入っていれば、トップに必要な90度の回転はすでに出来ているのです。
もちろん最終的には「左肩を右ひざの下まで回転させる」ことを目指して欲しいのですが、慣れるまではコンパクトなトップスイングで練習することをおすすめします。
トップからインパクトまで目線を向きを変えずに打つ
バックスイングで体を回してトップまで来たら、その時の目線の向きをインパクトまで変えない意識でスイングすることが、ボールを曲げずに打つための重要なポイントになります。ここを意識してスイングすれば、腰を回しても上体がしっかり残るので右肩が前に突っ込むこともなくなり、スイング軌道もインサイドアウトになりやすいのでナイスショットの確率がグンと上がります。
ミスショットしてしまう時は、目線の向きが定まっていないことで上体が開いたり体が突っ込んだ上体でスイングしてしまっていることが多いことに気が付くと思います。遠くに飛ばしたいと思えば思うほどスイングが大きくなり右肩が突っ込みやすくなってしまいますが、真っ直ぐ飛ばすためにはトップスイングはコンパクトに、そして目線の向きを一定に保つ意識で上体を残すことが非常に重要ですので覚えておきましょう。理想的なインパクトのためにはこれらの条件は欠かせません。
インパクト後もクラブヘッドを真っ直ぐ出すイメージで
ボールを真っ直ぐ飛ばすには、インパクトした後も重要です。
ボールの50センチ先にもボールがあるつもりで、クラブヘッドを真っ直ぐ振り抜いてみて下さい。インパクトした後も打ったボールを押し続けるイメージです。このようなスイングをすることでインパクトゾーンが広くなり、ボールを押し出す力が加わりますので方向性が安定して真っ直ぐボールが飛びやすくなります。
この時注意したいのは、左ワキをしっかり閉めて腕と体を一体にしてフォロースイングをすることです。ワキが開いた状態ではヘッドを真っ直ぐ出すことができずに、結果的にボールが曲がってしまいます。
左肩のチェックポイント
ドライバーショットが右へ左へ…こういった経験は誰にでもあるはず。スライスやフックが出てしまう原因のひとつに「肩が回っていないこと」が考えられます。肩を回さずに腕の力でクラブを振ったり、逆に確実に打とうとしすぎて手先だけで振ってしまったりと、これらはすべてミスショットの大きな原因となります。肩をしっかり回すことがナイスショットへの近道です。
肩をうまく使わずしてナイスショットなし!
ドライバーは他のクラブと比べてシャフトが長い分、しっかりインパクトすることが難しい。そのため、ついつい手先でスイング軌道を調整しがち。もちろん手先だけのスイングはナイスショットになりません。
毎回スイングプレーンを一定にし、安定したインパクトを生むためにはトップスイングで肩がしっかり回っていることが不可欠です。肩をしっかり回すことを意識すれば、手先に頼らず上体の筋肉でクラブを振ることが出来ますから、結果的にスイング軌道は安定しますし、ボールも真っ直ぐ飛ぶ確率が上がっていくのです。
細かいことを気にしすぎて小さなスイングになっていると感じたら、まずは肩がしっかり回っているかを確認するといいでしょう。
ぜひチェックしたい左肩の3つのポイントとは?
肩をしっかり回すというのは具体的にどういうことかを説明したいと思います。
ゴルフで強く意識しなくてはいけないのは”左肩“です。右肩に意識を持っていくと、体が開き過ぎたりスイングに悪い影響があるため左肩を意識するようにして下さい。左肩であればスイング中に視界に入りますからチェックがしやすいのも理由のひとつです。
左肩を回していく上でチェックすべきポイントが3つありますので確認しましょう。
ポイント1.左肩は右ヒザの真上まで移動させる
理想は右ひざの上まで左肩を回すことです。スムーズに出来る人はこれでOKですが、体が硬くてすごく窮屈に感じる人は右ひざまで回さなくても構いません。左肩を右にそのまま移動させていくイメージを持つことが大切です。この時、体重は右足に乗っているはずです。
ポイント2.左肩が斜め下を指している
アドレス時の前傾角度を保ったまま肩を回転させているので、当然トップスイング時には左肩が下がった状態になっているはず。左肩と右肩が水平になっているとすれば体が起き上がってしまっていることを意味するので改善するようにしましょう。
ポイント3.左肩がアゴの下にピッタリとくっつく
肩がしっかり回っていると、トップスイングでは左肩がアゴの真下に来ているはずです。最初は窮屈に感じるかもしれませんが、アゴと左肩が少し押し合うくらい密着しているのが正しいスイングですのでそれで問題ありません。
調子が悪くなってきたら…
ゴルフは18ホールまわる間、常にスイングの調子がいいということはなかなかないと思います。「なんか調子が悪くなってきたな」と思ってもラウンド中にスイングを修正するのは難しいもの。それよりもまず最初に確認して欲しいことがありますので覚えておいて下さい。
ゴルフスイングの理想とは?
ゴルフスイングの理想を定義するなら「毎回同じスイングができる」ことです。状況やクラブが変わっても、毎回同じスイングができればボールを正確に飛ばすことは難しくないはずです。ドライバーショットで毎回同じスイングができれば、フェアウェイが狭くても怖いものなしです。
ただ、毎回同じようにスイングすることは難しいのが現実です。練習場で素振りをしている時は基本的に毎回同じ軌道でスイングできているのに、コースに出た途端、自分のスイングが一定ではなくなってしまう…。こういう経験をした方は少なくないと思います。
それでは一体どうしてそのようなことになるのでしょうか?
「コースでは思わず力んでしまう」確かにそういう理由もありそうです。何事でも本番となると、プレッシャーもありますから力が入ってしまうのも納得できますし、特にドライバーショットではその傾向は強くなります。しかし、素振りとそうでない時の最も違うこと…それは、そこにボールがあるかないかです。
ラウンド中にスイングの調子が悪くなったら最初に確認すべきこと
「ボールがあるとスイングが一定しない」これはなぜでしょうか。その答えはズバリ「ボールに当てにいくスイングをしてしまっているから」ではないでしょうか。つまり、素振りのときはボール(目標物)がないため常に自分のスイングができるのですが、意識が目標物にいくことで、無意識の内に目標物にあわせるようなスイングをしてしまっているわけです。
このことから何が言えるのかと言うと「スイングの調子が悪くなってきたな」と感じたら、最初にスイングを修正しようとするのではなく、自分のスイング軌道にボールがセットされているかを確認するべき、ということです。つまり、ティーアップしてアドレスに入ったら、ボールの位置がいつもとずれていないかを確認して欲しいということです。
スイングを修正するというのはとても大変なことですし、ラウンド中であればそれはなおさらです。「ボールに当てにいくスイングをする」のではなく「スイングに当たるようにボールをセットする」ことを意識してみましょう。