初心者でも知っておきたいゴルフクラブの基礎知識

これからゴルフを始めるゴルフ初心者の方は、まずはゴルフクラブの基礎知識をしっかり習得しておきましょう!
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ドライバーの特徴
ゴルフの醍醐味のひとつ、それがドライバーショットです。ドライバーとは、ティーショット(第一打目)で使用するクラブのことで、クラブヘッドが大きいのが特徴です。
また、ドライバーはゴルフクラブの中で一番シャフトが長く、ボールを遠くに飛ばせるのがドライバーです。打つときはボールをティーアップしますので、基本はティーグラウンドでのみ使用します。シャフトが長いため、コントロールするのが難しく、「ドライバー=ボールを飛ばすクラブ」という意識からか、ついつい力んでしまうのもドライバーの特徴です。
“豪快なドライバーショット”は、ゴルフの楽しみのひとつ。自分にピッタリの一本を見つけるためにも、まずは基本的な知識を抑えておきましょう。
ドライバーを選ぶポイント
初心者でもおさえておきたいポイントとして、「ロフト角」「シャフトの硬さ(フレックス)」があります。以下を参考にクラブを選んでみましょう。
ゴルフ用語の「ロフト角」とは?
クラブフェースを横から見ると、垂直ではなく微妙に傾いていることが分かります。この角度のことを「ロフト角」と呼びます。
ロフト角が小さい(=クラブフェースが垂直に近い)とボールが上がりにくくなりますので、ある程度のヘッドスピードが必要になります。(逆にロフト角が大きくなるとボールは上がりやすくなります。)
男性なら、最初はロフト角9~11度を目安にしてクラブを選ぶといいでしょう。
ゴルフ用語の「フレックス」とは?
フレックスとは、”シャフトの硬さ”のことです。
一番やわらかいものが「L」で、標準が「R」、「X」が一番硬くなります。フレックスもドライバーに限らずクラブ選びの大きなポイントです。
自分のヘッドスピードにあったフレックスを選ばないと、クラブの性能を最大限に活かせません。例えば、ヘッドスピードが遅いのにシャフトが硬いものを使うと、シャフトがしならないため思ったような距離がでなくなります。逆に、ヘッドスピードが速いのにシャフトがやわらかいものを使うと、シャフトがしなりすぎて打球方向が安定しなくなります。
ヘッドスピードに見合ったフレックスは下図のとおりなので、これを目安に自分にあったシャフトのクラブを選んでみて下さい。
なお、ヘッドスピードはクラブ試打ができるゴルフショップなどで計測してもらえるので、一度計っておくと今後のクラブ選びの参考になりますよ。
フェアウェイウッドの特徴
扱いの難しいロングアイアンの代わりに活躍してくれるフェアウェイウッド。今では7番や9番といったフェアウェイウッドを使用するゴルファーを多く見かけるようになりました。使い方次第で大きな威力を発揮するフェアウェイウッドは、もはやゴルファーの必須クラブと言っても過言ではありません。
フェアウェイウッドの特徴を一言でいえば、「コース上からでも比較的楽に長い飛距離を打てるクラブ」となります。ラフからでも距離が出せる点がロングアイアンの弱点をカバーするもので、初心者ゴルファーにとっては、大きな武器になります。
写真で見ていただければ、フェアウェイウッドはドライバーの形状と非常によく似ていることが分かると思います。
フェアウェイウッドにもアイアンと同じように「番手(3番ウッド、5番ウッドの○番のこと)」があります。現在では3、5、7、9番というように、奇数の番手が一般的なようです。アイアンと同じように、番手の違いは「ロフト角」と「シャフトの長さ」の違いで、番手が小さいクラブの方が程距離がでる設計になっています。
ロングアイアンよりフェアウェイウッドを使おう
最近では、フェアウェーウッドをロングアイアン(4番以下のアイアン)の代わりに使用する人が多く、とってもメジャーなクラブになっています。ロングアイアンの代わりにフェアウェイウッドをおすすめする理由ですが、それはフェアウェイウッドの特徴に答えがあります。
フェアウェイウッドはクラブのソールが平らで広いので、多少ダフってもアイアンに比べてクラブが地面の上をすべりやすいため、ミスショットしにくいという特徴があります。またボールも高く上がりやすい構造になっていて、比較的楽に距離を出すことができます。
特に扱いが難しいと言われるロングアイアンですから、初心者のうちはフェアウェイウッドを揃えておくことを強くおすすめします。
男性なら2本、女性は3本以上あると便利
では、実際ラウンドする時に何本くらいフェアウェイウッドをキャディバッグに入れておけばいいのかという話ですが、力の弱い女性ゴルファーであれば、3番、5番はもちろんのこととして、7番、できれば9番まで持っていると重宝するでしょう。男性ゴルファーでも、3番、5番は持っておきたいところです。
ユーティリティの特徴
フェアウェイウッドとアイアンの中間距離を補う役目のあるユーティリティ。最近はユーティリティの人気が高まり、バッグに1本入れておく人が急増しています。その使い勝手のよさから、無視できない存在になっています。
ユーティリティは、アイアンと同じようなシャフトの長さですが、重心深度の深いヘッドでボールの弾道はフェアウェイウッドのように高い弾道になるのが特徴です。方向性を重視するアイアンが発展していったのがユーティリティと考えましょう。
ユーティリティとフェアウェイウッドの違いって?
初心者の頃に必ずと言っていいほど疑問に思うこと、それが「ユーティリティとフェアウェイウッドの大きな違いって何?」という点です。
まず見た目ですが、慣れるまではユーティリティとフェアウェイウッドの区別は付きにくいと思います。それほど両者の形状に大きな違いはありません。
では、どのように使い分けていけばいいかという点についてですが、
- 方向性を重視:ユーティリティ
- 飛距離を重視:フェアウェイウッド
と考えておけばいいでしょう。
(一般的に「アイアンが得意は人はユーティリティ」「ドライバーが得意な人はフェアウェイウッド」が向いていると言われます。)
実際に打ってみて、飛距離の違いやショットの正確性の違いを体感した上で、ケースバイケースでフェアウェイウッドとユーティリティを使い分けていけるのがベターです。多くの人がユーティリティの使い勝手に魅力を感じているのも事実ですから、初心者の方がどちらのクラブを選んだらいいか迷ったらユーティリティを選ぶことをおすすめします。
アイアンの特徴
グリーンオンするまで主に使うクラブが「アイアン」です。アイアンには3番~9番まであり、さらにアイアンの一種で、アプローチショットで使用するピッチングウェッジ(PW)、バンカーショットで使用するサンドウェッジ(SW)というクラブもあります。初めてゴルフを練習する人は、まずはアイアンから練習するのがいいでしょう。
アイアンは飛距離を出すのではなく「距離を調節する」ためのクラブです。基本的にいつも同じスイングで、飛ばしたい距離にあったクラブに変えて打つようにします。クラブの番手が小さいほどシャフトが長くなり、ロフトが小さくなって距離が出るようになります。
番手が大きくなるとシャフトが短くなるため遠心力が弱くなり、ロフトが大きくなるのでボールが高く上がるようになり、距離は出なくなります。ウェッジ類はアイアンよりもさらにシャフトが短くロフトが大きいので、主に短い距離で正確性が求められるグリーンまわりで使用します。
アイアンを選ぶポイント
アイアンは番手ごとに単品で売られているわけではなく、セットで売られていることがほとんどです。クラブによって特性も違うので、違うブランドで揃えるよりはセットで買うのが無難でしょう。ドライバーと一緒でシャフトの硬さも違いますので、自分のスイングにあったものを選ぶことが必要です。
さらに、アイアンを選ぶ大きなポイントとして、「スチールシャフト」と「カーボンシャフト」のどちらにするかを考える必要があります。
「スチールシャフト」と「カーボンシャフト」とは?
アイアンのシャフトは、金属製のスチールシャフトとカーボン繊維で作られたカーボンシャフトの2種類があります。それぞれの特徴は次のとおりです。
カーボンシャフト | スチールシャフト | |
---|---|---|
特徴 | 軽い シャフトがしなりやすい | 重い シャフトがしなりにくい |
メリット | クラブを振りやすい ボールがよく上がる 力が弱くてもOK | 方向性が安定する しっかり打てる 打感が手に伝わる |
デメリット | 方向性が安定しにくい 距離にバラつきがでる 手打ちになりやすい | ボールが上がりにくい ある程度パワーが必要 錆びやすい |
カーボンシャフトの方がスチールシャフトに比べて非常に軽くなっており、初心者には扱い易いと言えます。
スチールシャフトの重いクラブは初心者にとって扱いにくくなりますが、過去にスポーツをやっていて体力に自信のある男性は最初からスチールシャフトのものを選ぶことをおすすめします。
カーボンシャフトを選ぶと楽にショットできるので、女性の方や初心者の方には人気があります。
初心者にはロングアイアンは難しい?
一般的に、4番アイアンより番手が低いものをロングアイアンと呼びます。ロングアイアンで打つにはある程度のスイングスピードが必要になりますので、初心者の頃は扱うのが難しいと思います。
そこで、ロングアイアンの代わりに、より打ちやすく、同じくらいの距離が出せるフェアウェイウッドを入れておくのをおすすめします。最近では3番アイアンの変わりに3番ウッドを最初からセットにして販売している例も多くみられます。
パターの特徴
ゴルフ初心者であっても一番扱い易いクラブ、それがパターでしょう。パターゴルフをやったことある人ならすでに打った経験もありますからイメージもつかみ易いと思います。使用する場面はグリーン上だけですが、ドライバーの250ヤードもパターの30センチも同じ1打であることを忘れないようにしましょう。
パターほど様々な形状のクラブが売られているものはありません。それだけ神経質になるクラブであり、パッティングが重要だということです。
パターの形状には、代表的なものとして、最もオーソドックスな形状の「ピンタイプ」、カマボコ形状の「マレットタイプ」があります。
他にも、最近は「ネオマレットタイプ」と呼ばれる特徴的な形をしたパターもたくさん売られています。
パターを選ぶポイント
パターには様々な形状があるので、試しに打ってみて自分が気にいったタイプを選んで構いません。
ただ初心者の方には、オーソドックスなピンタイプか、打ったボールの直進性が高いとされるマレットタイプをおすすめします。経験の浅いうちはスイングが固まっていないため、どのクラブが打ちやすいか自分で判断ができないことが多いためです。
お店で気軽に試打してみよう
ドライバーやアイアンを試打するためには、お店の人に頼んで試打室でショットする必要があり、初心者にはちょっと敷居が高く感じるかもしれません。ただしパターであれば、お店のパターコーナーにあるマットの上で気軽に試打することができます。
しかもたくさんのパターが並べられていますので、遠慮せずに自分が納得するまで試打して、気に入ったクラブを見つけることが可能です。一度購入したら長く使うものですので、しっかり選びましょう。
クラブセットの特徴
クラブセットとは、
- ドライバー
- フェアウェイウッド
- アイアン
- パター
- キャディバッグ
がセットになって、これさえ買えばクラブはすべて揃うというセットのことです。しかも比較的安価なものも多くあり、ゴルフをこれから始める方の強い味方となってくれるでしょう。費用を少しでも抑えたい方は一度セット購入を検討してみるのもいいかもしれません。
なんといっても最大の特徴は「コースに出るために必要なクラブがすべて揃っていること」です。しかもキャディバッグ付ですから、非常にリーズナブルです。
最初は安価なクラブセットを購入しておいて、上達してクラブの特徴もつかめてきたら、新しいものに買い換えるという方も実際かなりいます。ゴルフはお金がかかるスポーツとよく言われますが、うまく工夫すれば安く道具を揃えられますので、初めてクラブを購入される方は検討の価値が十分にあると言えるでしょう。
このクラブセットですが、男性向けと女性向けではセット内容がちょっと変わってきます。下の写真を比較してみると、女性向けの方はフェアウェイウッドの数が多いことが分かります。
これは、パワーの必要なロングアイアンは女性に向かないため、より打ちやすいフェアウェイウッドを多くしている、というわけです。この辺もしっかり考慮されていますので安心です。
初心者のうちは全部揃ったクラブセットがお得?
これは考え方で変わってくると思いますが、最初にかかるコストという意味では、絶対にクラブセットを購入した方が安くすみます。セットを購入しない場合、アイアンセットの他に、ドライバー・パター・キャディバッグをそれぞれ別に購入しなくてはいけません。これは意外とお金がかかるものです。
「とにかくゴルフを始めてみたい」という方は、まずはクラブセットを購入することをおすすめします。
少しでもクラブにこだわりたい方や、長い目でみてコストを抑えた方はそれぞれ購入した方がいいでしょう。上手くなり始めたら違うクラブが欲しくなってしまうものですが、そう何度も買い換えることも難しいと思いますので、最初からある程度いいクラブを買っておいた方が、結果的には安く済む可能性が高いです。
最初にある程度の出費を我慢できれば、自分にあったものをじっくり検討してから購入した方が、長い目でみた時に高い満足感が得られる可能性が高いのは間違いありません。